君に、この声を。
あの日から、奏太のことばっかり考えてる。
あの日、音楽室で見かけた「奏太」は、それからすぐに音楽室を出て行った。
動揺しすぎていた私は、追いかける事も忘れ、ずっとそこに座り込んでいた。
どうして奏太がここに?
なんのために?
どうして?
あの日から、ずっと頭の中はその疑問で埋まっていた。
「うっそだぁ。じゃあなんでそんなに暗いの?」
「寝不足なんじゃない?」
「ふーん。昨日寝れなかったの?」
案の定、ウソだと見破られたるなを適当にごまかしているうちに教室へついた。