君に、この声を。



いつもより少し高い体温、

ぼやけるような頭、

周りに広がる白、

額の冷たい冷えピタシート、

真っ赤に燃えるようなりんご――――




そのとき、頭の中に強い風が吹いた。



今までバラバラに散らばっていたものが、きれいにまとまっていくようだった。



洪水のように1つ1つのピースが流れ、


雷のように一瞬にして現れた。







思い出した。





あの日のことを――――……





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