君に、この声を。

バスケットボールが、吸い込まれるようにリングに落ちていった。



「おーっ！」

「きゃーっ！」



俺の周りから歓声が溢れ出した。


どうして、俺がこんなに注目されているのか。


それは、ここの学校のバスケ部顧問が、俺が前いた学校のバスケ部の事を知っており、「ならちょっとゴール決めてくれよ」と頼まれた後、こんなふうに俺がシュートを打ったから。


そんなに体もなまっていなかったらしく、良くも悪くもシュートが決まり、女バスのところからも歓声があがっていた。



男子は「こいつがいたら地区大会優勝！」とか、「スタメン決定」とか自由な事を口走っている。

隣で練習していた女バスの人からは「かっこいー」とか「あの人がいればやる気になれる」とか意味不明に近い言葉をかけられている。