君に、この声を。
それに気づいたのか、怜の顔が「俺に隠し事しようったって無駄無駄」と今にも聞こえてきそうなドヤ顔に変わった。
「んじゃ、奏太は何部に入んの?」
「それなんだよなー。――帰宅部?」
「ここの学校、全員入部制だけど」
「マジかよ」
想定外の答えに、一瞬戸惑った。
じゃあ、俺が入る部活って、バスケ部くらいしかないんじゃね?
いまさら新しいスポーツしろったって、もう3年。すぐに引退。
文化部つってもなぁー……。