君に、この声を。



そこにいたのは、奏太だった。


さっきの音は、奏太が手を思いっきり叩いた音だったらしい。


奏太は手をパンパン鳴らしながら、私たちのほうへ歩み寄ってきた。

そして、私のちょうど横を通って崎田先生の隣に入り込んだ。



「あのー、ちょっと指導入れていいっすか」



崎田先生が不思議そうにうなずくのを見て、奏太が口を開けた。


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