君に、この声を。
「私ね。両立なんて無理なんだって。音楽の両立なんて。ぶっちゃけ、合唱より吹奏楽のが大切だし」
るなが今までの思いをぶちまけた。
今まで我慢していたものを全部吐き出すように。
そして、それに気づかなかった私に怒りをぶつけるように。
「智那はできるかもしれないけど、私は無理なの」
無理
その言葉が頭にこだまする。
そのまま、るなは再び歩き出す。
私はそれを止めることができずに、その場に立ち尽くした。