君に、この声を。
だんだん遠ざかっていくしゃんと伸びた背中は、力強かった。
るなの意志は強くて固い。
――もう、無理かもしれない。
これ以上、何を言ってもるなの気持ちは変わらない。
そう、直感で思えた。
でも。
確かに、るなは合唱が好きだった。
一緒に歌ったあの合唱が、上辺だけのものなんて思えない。
本当は、やめたくないはずなのに――……
さっきまでは力強く見えていた遠ざかっていく背中が、少しずつ小さくなっていった。
少し、しゅんとしぼんでいるようにも見えた。