君に、この声を。



――――
―――



「で、るなは合唱やめんの?」



ある祝日の合唱練習日。

私の隣には、陸部の忙しい中、合唱にもちゃんと顔をだす朱莉。



「わかんない」

「音楽系の部活と両立は難しいのかもね」



「あたしにはわかんないけど」と、朱莉は他人ごとのようにグランドピアノにもたれる。


実際他人ごとかもしれないけど。


っていうか、陸部も大変だと思うけど。



私はグランドピアノの上に無造作に置いてある楽譜を適当に探りながらため息をついた。


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