青空からの贈り物。 〜君が教えてくれたこと〜
「つ、翼が…」
「天使だから。な、お前の名前は?」
「え…」
彼…空は宙に浮きながら、私に問いかける。
これは、夢…なのだろうか。
それとも…
…現、実?
「わた、しは…、…日向、結、希」
「…結希、か。良い名前だな。よろしく、結希」
宙に浮いていた空は、段々と下にさがってきて、私の前に着地した。
空の足が地面についた途端に、翼の色が透明になっていて、やがて音もなくスゥっと消えた。
そんな中、微笑みながら差し出された手を、
「よろ、しく……、…そ、ら」
私は、そっと、握り返した。
…伝わってきた手のぬくもりが、温かくて。
『 これはきっと夢じゃない 』
…そう、思った。
*
――…これが、
私と、
空の、
出逢い、でした―――……。