14個の君の物語<短編集>
「ただいま…」
リビングのドアを開けると母が座り込んでいた
「もう…もう無理よ……」
いつもいつも同じ事を言っている
もう心配なんかしない
父だって母だって謝るきっかけを無くしただけ
あたしには何も望まない
あたしには何もない
「あたしの存在意義って……何?」
自虐的な笑みをたたえて母を見る
「あたしは、2人の何?」
父も母もあたしを見ない
見るのが辛いなら何故……なぜ…
「なんで…あたしを産んだの?」
教えてよ、あたしの存在意義