14個の君の物語<短編集>
あなたが強がるから
「お父さんも、知らんふりしないでよ…」
あたし、此処にいるよ?
透明人間なんかじゃない。
居るの、気づいてよ、あたしに優しく話しかけてくれなくても良い
ただ、
「聞けよ、糞親父」
お前の娘が話しかけてんの
後ろ姿ばかり見せないで
小さくなった父の背に尚も話しかけた
「2人の証があたしでしょ
なら、あんたらが無視してるあたしの存在意義は何?
教えてよ…あたし、もう疲れた」