14個の君の物語<短編集>

あなたが強がるから

「お父さんも、知らんふりしないでよ…」

あたし、此処にいるよ?
透明人間なんかじゃない。
居るの、気づいてよ、あたしに優しく話しかけてくれなくても良い

ただ、

「聞けよ、糞親父」

お前の娘が話しかけてんの
後ろ姿ばかり見せないで

小さくなった父の背に尚も話しかけた

「2人の証があたしでしょ
なら、あんたらが無視してるあたしの存在意義は何?
教えてよ…あたし、もう疲れた」

< 40 / 86 >

この作品をシェア

pagetop