14個の君の物語<短編集>

｢でも…濡れちゃった｣

あははと頭を掻こうとしてくしゃみをするからバスタオルを取りに行った

｢ほら、靴下とか脱げ｣
｢はーい｣
｢たくっ。次から気ぃつけろ｣
｢優しいから、甘えたくなるの｣

頭を気にせず拭いてやるとくすぐったそうに首を竦めるからこっちも思わず笑ってしまった


｢ん…雨の匂いがする｣

ちゅっ…と髪に口付けて思うんだ


雨もたまには良いかな…?

って