あの日の君へ。
*第2話*
キーンコーンカーンコーン・・・

チャイムの音で授業が始まる。

今は5時限目 国語の小テスト中


コツン

「??」

後ろから椅子を軽く蹴られて
横目でそっちを向く

『消しゴム貸して!』

誠が口パクでそう言う。
いつもの光景

あたしは無言で
こっそりと後ろに消しゴムをまわす。

『サンキュ』

また口パクでお礼を言われると、
少し微笑むあたし。

少しして、後ろから消しゴムが返ってきた。

と 次の瞬間

「こらそこ!!
 テスト中に何してんだ!」

・・・見つかった


あたしと誠は 同時に席を立って
同時にお互いを責め合った。

「先生違うんです!
 あたしは無罪です!!
 この誠が消しゴムを忘れるから
 しかたな~く貸してあげ・・・」
「違います先生っっ
 本当は消しゴムを忘れたのは鈴で、
 今のは消しゴムを貸してるとこだったんです!」
「はぁぁぁぁ!!?
 ちょっとふざけないでよっ」

テスト中にも関わらず、
二人してギャーギャー騒ぐ。

「もういい!!
 二人とも放課後
 職員室に来なさい!」

「「・・・はい」」

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