しーくれっと!






けれど私は無言で二人に近づくと、振っていた炭酸ジュースのキャップをひねった。
そしてー…





ブシュゥウーーーーーー!!!!


「…ーーぅわっ?!」

「!」


勢いよく噴出するジュース。

吹き出すジュースの勢いが弱くなりかけたところで、私は近くにいた男性の手を取った。


「走ってください!」

「ぇ、あ…?」


突然のことにビックリしている様子の男性。
だが、抵抗することなく私のあとについて走ってきた。






×―――×








駐車場から離れ、安全を確認したところで私達は走るのをやめた。

久々の全力疾走だったものだから、私の息は少々乱れている。



「はは…、ビックリしたぁー」

壁に背を預けて、男性は笑いながら言った。
私は男性の方を振り返ると「急にごめんなさい」と、頭を下げた。


相手にとって、私の行動が必要だったかどうか…
分からなかったから。






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