しーくれっと!
「何で謝るの?俺、助かったのに」
そう言いながら、男性は被っていた帽子をはずした。
「ありがとう、君のお陰で助かったよ」
「……。」
帽子を片手にニッコリと微笑んだ男性に、私は言葉を失った。
凄く、綺麗な顔立ちの人だったのだ。
否…
綺麗というより、可愛い…
の方が似合っているかもしれない。
童顔だからというのもあるが、
大きなクリっとした焦げ茶色の瞳に、白い滑らかそうな肌。
そしてミルクティーのような色をした、ふんわりとした柔らかそうな髪の毛。
年齢を感じさせないその姿に、見惚れない人間はそう居ないであろう。
「あのー…?」
「ぁ…!」
男性に声をかけられたことで、私はハッとして我に返る。