桜の木の下で【短編】
この日以来、私は毎朝あの人の横で自転車を降りて、一緒に歩いた。
少しづつ色々な話をしていくうちに、あの人はうなずかなくなり、自分から話すようになっていったの。

私は嬉しかったわ。
だって始めは本当に会話にならなかったんだもの。


それから一ヶ月後、あの人は一本早い時間のバスで、一つ前の停留所で降りる事になって、私は家を早く出て、あの人と15分の朝の時間を楽しむ。
限られた時間が大切だった。
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