桜の木の下で【短編】
日曜日
私は約束の時間より一時間早く家を出た。

バス停にあの人は居ない。

私は、すぐに来たバスに乗り終点まで行き
桜の木の下であの人を待った。
ベンチには座らず、バス停とは逆の位置に、木に背を向けて立っていた。



二時間後
遠くから足音が聞こえた。
私は振り向きたい気持ちを抑え背を向けていた。


音が近づくにつれ、走って来るのが分かった。
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