桜の木の下で【短編】

ある雨の日、僕はいつものようにバスに乗っていた。
そこに彼女が乗ってきたのだ！！
自転車には乗らずに、バスにだ。
僕はあわてて髪を直し、隣の席が空いてると彼女にさりげなくアピールしてみた。

入口で席を探していた彼女は僕に気付いた。
そして笑顔で隣に座った。

僕の胸は今までにないくらいドキドキしていた。
隣に居る彼女に鼓動の音が分かってしまうのではないかと思ったほどだ。
僕が何も言えずに口ごもっていると、彼女の方から声をかけてくれた
「あなた、いつもこのバスに乗ってるわよね。」
彼女が話かけてくれた！！僕はとても嬉しかった。
でも、少し顔が赤くなったような気がして、彼女の目さえ見れずに、ただうなずいた。
僕は体中が熱くなり、今にも燃えてしまいそうで、僕からは何も言えず、その日は彼女の
質問にいくらかうなずくだけだった。
あまりの緊張に何を質問されたか思い出せない。


次の日、展開天気は快晴。
昨日の事もあり夜はあまり寝つけず、朝も早くから目が覚めていた。
日差しがまぶしいくらいの中バス停へ向かう。「彼女は今日は乗ってこない。」そう思いながら、いつものバスに乗った。