明日があるまで
プロローグ
悪魔だ・・・。
ふと、私はそう思った。
「私ね颯太君に告白しようと思うの。」
親友の加奈のこの一言から始まった・・・。
私は櫻井 優那(さくらい ゆうな)
親は一体どんな気持ちでこんな名前を付けたんだろう。
かわいい名前に全然合わない平凡な顔。
取り柄もない性格。
加奈みたいにこんなかわいく生まれてきたかった。
なんて出会ってすぐのころは思ってた。
でも・・・10年も一緒にいたら
そんなことどうでもよく思えてきた。
今16歳高校2年。
小1のときからの親友。
『あんたは加奈ちゃんの引き立て役だからそばに居れるんだよっ!!』
まだ幼かった私たち。
それでもその言葉は私のなかにいつも重りになっている。
ちゃんとすれば勉強も運動も加奈よりできる私。
でも、引き立て役は主役より目立っちゃだめなんだ。
そんな私はもちろん恋愛などしたことはない。
加奈が告白されるたびに
「引き立てれたんだ。」
って思ってそれだけて十分になっていた。
加奈がいろんな人と付き合うたびに言われてきた。
『あぁ。キミ加奈と一緒にいる人だよね?』
そぅ。名前なんて聞かれることゎめったにない。
これからもそれでいいと思っていた。
加奈のそばで引き立てれば・・・。