明日があるまで
この声はすぐわかる。
・・・加奈だ。
忘れる・・・。
忘れるっ!

「おはよー。」
よしっ!
いつも通りだ。
「あれ?優那寝不足?」
えぇ・・・。
「あぁ・・・。ちょっと勉強?」
嘘。本当は朝倉君のことで眠れなかった。
でもそんなこと嘘でも加奈には言えない。
「なんで語尾に“?”ついてるのー」
「ハハハッ。そうだね。」
「・・・嘘。」
え?
「嘘でしょ?勉強なんて。」
え。なんで!?
ぁ・・・そっか。毎日見てるもんねぇ・・・
「うん・・・嘘。」
「やっぱりーーー!」
ばれてないっ!
と。安心したら。
「で?なんで寝れなかったの??」
と聞かれた・・・。
んーとね。朝倉君が・・・
なんて言えるわけないじゃん!
「まぁ。言いたくないならいいけど・・・」
「言いたくないわけじゃないけね。」
「そっか・・・」
よし!
とりあえず。
朝倉君から離れないと!
「ねぇ。」
「あっ!そうだ!」
話を変えようとしたら、加奈が口をはさんだ。
「ん?なに?」
「ねね。朝倉・・・颯太君の事。どうなった!?」
え・・・
まじですか。

< 16 / 40 >

この作品をシェア

pagetop