明日があるまで
「あぁー朝倉君ね・・・。いい人らしいよ?」
いや。知らない。適当に言った。
「そっかぁ~。やっぱり王子様だねっ!」
王子様か・・・。似合わないな。
なんて。口にできない言葉を並べる。
「そうだね!でも。けっこうモテるんじゃない?」
「ん~。でも、私のことスキになってくれれば十分!」
強いね・・・。

「加奈」
「ん?どうしたのー?」
やっぱり。言ったほうがいいかな・・・?
「・・・私。」
「えぇ?どうしたのー?」
・・・ごめん。
言えないよ・・・。
「なんでもないっ!」
「そっか!・・・んーじゃぁ。私から。」
もう、バス停が見えてきた。
「私―――は――す―ね!」

ん?
バスの音とトラックの音で聞こえなかった。
タイミング悪いなぁ・・。
「ごめん。加奈。もう一回言って?」


「だから。私ね。颯太君に告白しようと思うの。」


―――サァー

って音が頭の中に聞こえた気がした。
「あれ?まだ聞こえない?私っ!」
「あ。うん!頑張って!おぅ・・・」
応援するね。が言えなかった。
「うん!がんばるねー!」
どうして?別に。スキなんかじゃ・・・

だって。
スキになる要素。
いっこもないよ?



♪~
メールだ。

ぇ・・・・。

From 朝倉颯太
―――――――――――――――
To 櫻井優那
―――――――――――――――
件名:Re
―――――――――――――――
昨日はごめん。
また。話がしたい。

  ――END――






なにそれ。


< 17 / 40 >

この作品をシェア

pagetop