明日があるまで

初めてだった・・・。

俺の事を普通の目で見たやつは。

俺の名前は朝倉颯太。
小学3年の夏に病人になった。
白血病。免疫力が高いのか、何度も倒れたけど病気の進行は遅かった。
だが中2の冬聞かされた言葉。
「颯太君・・・。驚かないでね?あなたの余命。あと・・・2年半。」
2年半。高校2年の秋にはもうこの世にはいない。
あと。半年。もうどうなってもいいと思っていた。
あいつに・・・。

櫻井に会うまでは。

俺の親は2人とももういない。
俺が小さい時父親は出て行った。
母親は・・・。
中3のとき死んだ。
俺のせいと言えばそうなる。
入院費・父親の借金・生活費のせいで。
親が死んでからは退院した。

親戚の家を転々とし。
生活費・教育費まで出してもらっていた。
せめて、診察費ぐらいは自分で出した。
俺が生きていく中で。
金と病気だけは一生ついてきた。
誰ひとり。俺の事を助けてくれる人はいなかった。
ただ・・・かわいそうと思うだけで。

俺はこの世で一人なんだ。

中学3年の夏。
俺はそう思った。

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