明日があるまで
「優那知ってる??」
「あっ。えっと。」
「まぁ、知ってるわけないかぁー」
「ぅ、うん・・・。」

なんか気まずい・・・。

「それにさ、颯太くんの家表札。」
表札・・・?
「多田ってなってた。朝倉だよねぇ??それに・・・。出てきたのお祖母ちゃんだったんだけどさ。なんか颯太くんのお祖母ちゃんって感じはしなかったんだぁ。」
どうゆうことだろう??
「颯太くん、私の事知らなかったんだぁ・・・。」
呟くように言った加奈の表情は悲しさや驚きや不安が混ざっているように見えた。
そんな加奈にかける言葉が見つからない私は加奈の親友失格かな・・・。

~颯太side~


家に帰っても誰もいなかった。
まぁ。俺の家って言えないけど。

「あ。颯太くんおかえり。」

なんだ。いたんだ。
――ペコ
一応頭を下げた。
今でもまだ気まずい。
高校になってからは藤崎さんの家は出て母の弟。
多田さん。母の旧姓だ。
俺にとっておじさんの家に居た。
男2人だからまだ気は楽だった。

「…あの・・・。」
俺から話しかける事は全然ない。
話しかけてきても一言二言しか返さないから会話という会話をあまりしたことがないのかもな・・・。
まぁ。別にそれでいい。

「どうかした??」
「あ。俺、これからもっと酷くなると思います。」
「病院で言われたのか?」
「いや・・・。なんとなく。」
「そうか。」
「迷惑かけます。」
そう言って深く頭を下げた。

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