明日があるまで
「あ。そうだ。これからはここが颯太くんの家になるからな。」
え。
「この前決まったんだ。転々としても颯太くんもいやだろうと。まぁ、俺も別にいてくれて困ることもないし。」
「そうですか・・・。迷惑かけます。」
「一応メールいいかな?」
「あ。はい。」
そう言って赤外線を交わした。
「じゃぁ。なにかあったら連絡して。」
「はい。」

こんなに話したの始めてかもな。
あんな声してたんだ。

俺のために開けてくれた部屋。
俺の部屋?

---パタン

ドアを閉めて携帯を開く。

---ピッピッ

『アドレス登録帳  計2件
 1件目 櫻井 優那
 2件目 安部 謙太   』

2件目を押した。
画面には『1件のアドレスを削除しますか?』の文字。

迷わず自分の指は左を押す。

『1件のアドレスを削除しました。』

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