明日があるまで

#もうひとり

はぁ・・・。
どんなに、来ないでと願っても来てしまうんだな・・・。
なんで私が加奈の告白するのについて行かないとだめなんだろう?
まぁ、イルカ見れるしいいか!
そういえばもう一人来るって言ってたなぁ。
朝倉くんの友だちか。
どんなひとだろう??

「優那。」
「ん?何?加奈。」

今、水族館に向かう電車の中。
行ってみるとけっこう遠かった。

「私。イルカショー終わって、観覧車に乗ろうと思うの。」
そう、ここの水族館は観覧車がある。
何でかと言うと上から見ると施設が1つの魚になっているらしい。
まぁ、その写真がパンフレットの表紙だからあんまり乗る人はいない。
「定番だね!」
「ぅん。私、がんばるからさ・・・」
ん?なに?賭け?
「から?」
「・・・っ…楽しんでね!」
その間。なに??
「もちろんっ!!だって自腹だもん。」
チケットは2つしかないから私と朝倉くんの友だちは自腹。
「ごめんね?」
「いいよ!!私、魚好きだし。」
「優那が好きなのはお刺身でしょ?」
「うん!」

「・・・はぁ。」
加奈が重いため息をついた。
「どうしたの??」
「やっぱりだよぉ。」
「ん?なにが?」
「…服。」
ふく??
「優那と決めたのに、優那のほうがかわいい・・・」
「えっ!?」
「優那の横に居たら、変に思われそうで怖い・・・。」
「えぇ!?」
加奈の今日の恰好は、前に2人で決めた白い清楚なワンピースにデニムのベスト。
髪に留めたバレッタがとってもかわいいの。
「十分かわいいよ?」 
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