明日があるまで
今日は。思いっきり楽しむんだ。
それで・・・・・・いい思い出にする。

~優那side~
1時間半近く電車に乗っていたから、ちょっと気分が悪くなった。
やっぱり外の空気が一番だね!!

さっきから、加奈は困った顔をしてる。
どうしたんだろ・・・?

「あっ!もういるじゃん!!あの子たちだよなっ!?颯太っ!?」

颯太・・・。
あ。来た。
「優那!!朝倉君。とってもかっこいいね。」
「そ・・・ぅ?」

たしかに。なんだか今日の朝倉君はかっこよく見えた。
だけど。なんだかしんどそうにも見えた。

「えっとぉ・・・どっちが優那ちゃん??」

颯太くんの友だちが意外にも明るかった。
いや。意外って言ったら失礼かもしれないけど。
でも、何か朝倉君が静かだから。
友達もお兄さん!みたいな人かなって思ってたから。

「・・・な?ねぇ?優那!」
「あっ。ごめん。何?」
ちょっと自分の世界に入ってたな。
「君が優那ちゃん??」
「え。あ。はい・・・。」
「俺。村田悠司って言うんだ。よろしく。」
朝倉くんのお友達。
いや。村田君が握手を求めてきた。
え?私に・・・?
「よろしくおねがいします・・・。」
一応握り返したけど。
村田君加奈の事一度も見ないんだよね。
「私。櫻井優那です。」
「知ってる知ってる!!颯太から聞いたから!」
「ちょっ。お前さっきから・・・。」
今日初めて朝倉くんの声を聞いた。
なんか。落ち着くなぁ。
「朝倉くんと村田君って仲いいんですか?」
私も思った。たぶん他校だよね?
「あぁー俺と颯太はね。養護施設で出会ったんだ!」
「養護…施設…?」
「あぁ。」
「あっ!!優那ちゃんも!加奈…ちゃんも。呼び捨てでいいからね?」
「「呼び捨てですか?」」
加奈とかぶった。
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