明日があるまで
「うん!悠司と。颯太。」
「颯太・・・。」
私にしか聞こえない声で加奈がつぶやいた。
うれしいんだろうなぁ。
「なっ!颯太そっちの方がいいだろ?・・・・。」
なんか颯太くんに耳打ちしてた。
その瞬間颯太君の顔が赤くなって。
「おまっ!ほんとにふざけんなよ!」
って。
「じゃぁ。私たちの事も、加奈と。優那って言って!」
「ちょっ加奈!私はいいよ。」
「まぁまぁ。」
「オーケー!!颯太いいなッ!?呼び捨てだぞ?」
「いちいちいいよ・・・。」
「まぁ。行きますかっ!!」

朝倉君…。颯太。
私に呼び捨てなんてできるわけない。
せめて。颯太君。悠司君だな。
颯太君にこんな友達がいるなんてちょっと意外だった。
颯太君の事本当に知らなかったし。
こんな明るい子といるんだ。

でも。さっき。
養護施設・・・って言ってた。
颯太君も悠司君も養子・・・?なのかなぁ・・・

私。まだ颯太君となんか…
ギクシャクしてるんだよなぁ。
なんかきまづい。

「ごめんな。」
え・・・?
声が聞こえたほうを見ると颯太君が泣き出しそうな顔でこっちを見ていた。
「なんか。ごめん。これが最後だから。もう、俺にかまうことないし。なんも考えずに楽しめ。」
「ぇ…?」
「いや。なんか・・・抱え込んでる感じしたから。」
私って結構顔に出るタイプだとは言われるけど、みられてた・・・?
「あ・・・うん・・・。」
「あのさっ」

「イルカだ――――!!!」
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