それぞれの物語
「隆がさ、日曜にデートの約束してたのに午後からはムリって言うの。だから午前中だけでね…」
隆とは友里絵の彼の名前。他の大学に通っている。
「はいはい、それで隆がどうしたの?」
落ち着いて、と宥めながら私は一応聞く。
「午後はなにするの?って聞いたら、地元の友達と遊ぶって言うんだよ!!彼女より友達優先ってどういうこと!?」
今までのうっぷんを晴らすべく、私が聞き流していることに気付かずにマシンガンのごとく喋り続けている。