片想いデビュー【完】
1*運命の出会い
*運命って信じますか?
*運命って信じますか?
『好きです!付き合ってください!!』
私は、そう言って思い切り頭をさげた。
『あ〜…うん、ゴメンね…オレ他に好きな子いるからさ?…じゃ、そういうことで…』
苦笑いを浮かべ、颯爽と立ち去っていく先輩。
…嘘でしょ?
そんな先輩の姿を私は、ただ唖然とした表情で見送るしかなかった…。
―――――
『何…?千里…またフラれたの?』
呆れたような親友の川島利沙の声が私の胸にささる。
『う…だって〜運命だと思ったんだもん!』
そう言って、プイッとそっぽを向く私。
『バカ?あんたそのセリフ…今日で何度目よ?惚れっぽいのそろそろ直したら??』
…利沙さん…容赦なさすぎ…
『…何よ〜利沙は彼氏いるからそんなに余裕なんでしょ…少しは彼氏いない私の身にもなってよ〜』
『あんたが彼氏できないのは、簡単に男についていきそうだからよ!!人間、一途が一番!』
私は、利沙のその言葉にぷくっと頬をふくらませた。
私の名前は、大森 千里(ちさと)。
高校2年生。
恋をしたいお年頃なのです。
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