片想いデビュー【完】
『ちょっと…いきなり何なんですか?』
私は、ぐいぐい腕を引っ張りながら歩くイケメンの顔を睨みながら口を開いた。
『は?あんたが泣くからだろ?それに携帯弁償してやるって言ってんの』
そっけないが、意外な言葉に私は、目を丸くした。
…案外…いい人なのかな…?
『…いや、でも…さっきあなたに言われたことも一理あるんで…』
『いいから、なんかあんたを泣かせたのオレのせいっぽいし…』
どうやら本当にいい人みたいだ。
しばらく歩くと、某携帯ショップに着いた私とイケメン。
『えっと…イケ…じゃなかった…名前なんて呼べばいいんですかね…』
そう言った私をちらりと横目で見ながら
『…山岡京(きょう)』
そう言い放った。
『ふ〜ん、京さんですか…えっと…大学生ですか…?』