片想いデビュー【完】
―――
『へぇ〜そんなことがね〜…』
利沙は、驚いたように目を見開きながら腕を組んで考え込んでいた。
『まぁね…私もさ、知らない人に弁償させるのは、少し気が重くてさ…しかも同い年だし…』
苦笑いの私。
『ふ〜ん?私だったら全額払ってもらうけどな?』
…利沙…。
ニコニコ顔の利沙の発言にため息をつきながら、私は、ボーッと窓の外を眺めた。
『……ねー、もしかして、千里…その京ってやつのこと好きになった??』
突然、利沙がそんなことを言い出した。