片想いデビュー【完】
唖然として、私は京を見つめる。
『大森千里さんだよね?』
昨日の京からは、想像できないほど爽やかな王子様スマイルを浮かべた。
『……』
それに対し、無言の私。
『実はさ、ちょっと用事があるんだけど…来てくれない??』
京は、そう言うと、私の腕を引っ張ってきた。
そして、未だに呆然としている私を連れて足早に教室を出ていく。
その後ろでは、またもや女子の悲鳴に近いキンキンした声が教室中に響いていた。