片想いデビュー【完】
ニコニコと終始笑顔の真央くんにつられ、私もにこりと微笑み返す。
…いい人そうだな
そう考えた時、
グイッ
京に腕を引っ張られた。
そのせいで、私は、後ろに倒れそうになる。
しかし、間一髪のところで京が私を引き寄せたので倒れずにすんだのだ。
…こ、怖かった…
私は、ホッと胸を撫で下ろした後、京に文句を言おうと口を開きながらくるりと振り返った。
『ちょっと!!いきなりなんな…』
けど、私の口からはそれから先の言葉を発することができない。
…なんで…こんなに不機嫌なの…?
そう、京の周りからは、傍からみたらわかるほどにイライラとしたオーラが漂っていたのだ。