片想いデビュー【完】
『加奈子は、昔から、オレの彼女だって…なぜか言い回るんだよ…まぁ、そのおかげであんまし、女がよってこなくてオレとしては都合よかったけどな』
いやいやいや、ちょっと待てよ?
『じゃ、じゃあ、神崎さんと京は付き合ってないの?』
『だからさっきからそう言ってんだろ?』
バカにしたような京の声が電話口に響いた。
『そ、そうなんだ…』
私は、ようやく話が飲み込めてきた。
それと、同時に、神崎さんと付き合っていないという事実にホッとしていた。
『……あのさ、さっきから言おうと思ってたんだけど…千里さ…オレの告白なかったことにしてない??』
『…え…?冗談じゃ…』
『お前…なかなかヒドイ奴だな…オレ今、結構傷ついた』
ドキドキ、ドキドキ
徐々に心拍数があがってくるのを感じた。
京は、もう一度ため息をつくと…
『…オレは、千里が好きだ』
そう言ってくれたんだ。