フライングムーン
第十一章
次の日、私は彼がやってくる前にピアノの蓋を開けた。
そして何も書かれていない五線譜を用意した。
鍵盤に手を置くと今日も10本の指が自由に動き出した。
私はそれをすかさず書き留めていった。
何日も何日も私は彼がやってくる前の時間を使って曲を作った。
彼は私が作った曲を聴いて優しい笑顔で拍手をしてくれた。
そしてその度に変な感じがした。
< 12 / 21 >

この作品をシェア

pagetop