フライングムーン
第三章
それから私は毎回、彼を家に上げるようになった。
向かい合ってソファーに座って楽しい話しを繰り返した。
彼はよく笑っていた。
私も彼の話しに笑った。
あまりにも楽し過ぎて彼が帰る時間になると私は急に淋しくなった。
そんな私に決まって彼は“また来るね”と言った。
私はいつも彼のその言葉を待った。
そしていつも彼を待った。
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