チッサイ、オッサン
鏡を見る気にもなれずに、結局頭もヒゲもボサボサのまんまで会社に向かった。


途中何度も人の視線を感じたり、電車内の俺の周りで小さな笑い声が聞こえてきたりしたけど、特に違和感は感じなかった。


「世の中ハッピーなんだな……」


楽しそうな人達がちょっぴり羨ましい。


ボーッとしたまま会社に着くと、同僚の長谷川が俺を見てなぜかニヤニヤ笑いながら近寄ってきた。


「なんかこいつも楽しそう……」


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