チッサイ、オッサン
電車を降りた俺は家まで猛ダッシュして、やっとの思いで玄関を開けた。


「病み上がりなのに!」


肩でゼイゼイ息をして、よろめきながら部屋に入る。


電気をつけると、テーブルの上にオッサンがあぐらをかいて座っていた。


俺の帰りに気付いたオッサンがクルッとこっちを見る。


「あ、えっと……、ただいま」


つい条件反射で言ってしまった。


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