チッサイ、オッサン
台所から少し離れた所でビタッと止まり、目だけで激しくオッサンを探す。


「あんなに小さいんだから流し台の上には乗れないはず!棚の中か!?」


しゃがんで台の下にある棚を端からバタンバタンと調べていった。


「見当たらないぞ!ていうかもういないんじゃないの?」


そう安心しかけた時。


……ン。


「……え?何か聞こえる?」


……ピチョ……ン。


しゃがんだまんま、静かに耳を澄ましてみた。


ピチョン……ピチョン。


「……水の、音?」


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