チッサイ、オッサン
「なんつって、ものすごいフェイントでどっかからヒョコッと出てくるんでしょ?もう、演技派なんだからー」


どこかに隠れているかもしれないオッサンに話しかけてみる。


でも、頭のどこかでもう出てこない気もしている。


でも、でも、でも。


しばらくその場で呆然として、やっと燃料切れの頭で状況を整理し始めた。


「オッサン、とうとう俺を食うのを諦めて本当に消えちゃったんだ」


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