チッサイ、オッサン
そう言った俺を見るじいちゃんの顔は、とってもとっても幸せそう。


「あ……」


そしてじいちゃんは、照れたような笑顔を残して完全に消えてしまった。


その瞬間、耳元にふわりと声が舞い降りる。


『 あ り が と う 』


俺は目に溜まった涙が零れないように上を向いて、とびきりの笑顔を浮かべた。


< 210 / 216 >

この作品をシェア

pagetop