チッサイ、オッサン
「バイバイ、じいちゃん!またね!」


ちゃんと聞こえるように大きな声で言ったら、ポトリと涙が一粒だけ落ちた。


俺の胸の中に味わったことのない温かさを残して、じいちゃんは去っていった。


「俺に会いに来てくれて、本当にありがとう」


それから、じいちゃんの姿を見ることはなかった。




< 211 / 216 >

この作品をシェア

pagetop