チッサイ、オッサン
常に部屋の様子に意識を張り巡らせていた俺は、一瞬なにかの気配を感じてその場に固まった。


「……い、る?」


ゾゾゾゾッと鳥肌が立って、額にププププッと冷や汗が噴き出す。


まばたきも忘れて更にゆっくりと部屋を見回した。


「どこかに、いる……!」


そう確信した俺は、ベット→テレビ→棚と左回りに視線を動していく。


そして顔の向きを変えないまま、視線だけを再びテレビに戻した。


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