チッサイ、オッサン
ものすごいスピードで、あっという間に背後にアズキ色の塊が迫って来た。


「うがーっ!取り込まれるうぅうぅー!!」


泣くひまもないくらい死に物狂いで進む俺の体に、無数のオッサンのチッサイ手が。


ギュギュギュギュッと次から次へとしがみついてくる。


「ひいぃぃぃぃー!!」


半狂乱で暴れながら振り払ったけど、数が多すぎて全く意味がない。


「飲み込まれて俺もオッサンになっちゃうよー!やめろ!!やめろー!!」


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