チッサイ、オッサン
そんな恐怖の中で俺はバチンッと目を覚ました。


すぐに見慣れた天井が見えて、汗でびっしょり濡れた顔を動かさずに目だけで辺りを確認し始める。


ベットに座ったはずが、どうやらそのまんま倒れて眠ったらしい。


「ゆ、夢か……。それにしてもオッサンの手の感触が妙に生々しかった」


まだおでこにぺタぺタした変な感覚があり、髪の毛かと思ってけだるく手で払おうとした。


ムギュ。


「……ムギュ?」


払いのけたあとの奇妙な感触に、どうも納得がいかない。


俺は寝ながらそっと頭の上を触ってみた。


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