チッサイ、オッサン
トコトコトコトコーッ!


「わあぁぁー!逃げたあぁあぁー!」


バウンッと尻もちをついて、そのまんまの格好でものすごく後ずさった俺は、自分の叫び声で思わず余計に怖くなった。


「ななっ、なんだよあのオッサン!?なんでジャージなんだよ!?なんでチッサイんだよ!?」


背後が玄関でこれ以上さがれない俺は、頭を抱えて激しくブツブツ言いながらオッサンが逃げたテレビを睨んでいる。


まるでゴキブリを見失ったような感覚だ。


早く仕留めないと、どっかの裏にいるアイツをずっと気にして生きなきゃなんない。


< 7 / 216 >

この作品をシェア

pagetop