チッサイ、オッサン
そして俺は乱暴に差し出した両手で、思わず優しくオッサンを包み込んでしまった。


「く、くそっ!生物かと思ったら粗末に扱えない……!」


頭では攻撃のつもりでもなるべく手に力を入れずに、ソフトタッチでオッサンをすくい上げてしまう俺の体が憎い。


「とにかく箱にぶん投げろ!」


そう言いながら、箱の中にそっとオッサンを寝かす俺。


< 85 / 216 >

この作品をシェア

pagetop