【掌編集】魔法使と少年少女。
「ここには僕とルルゥしかいなくて火の気もない、ときたらルルゥがやったとしか考えられない」
「でも…っ、俺知らないもん!」
「ルルゥ……何かを強く願わなかった?」
「知ら、知らな……」
「落ち着いて。僕は大丈夫だし、ルルゥを責めてるわけじゃない」
「――だって怒って…る」
「ちょっと突然すぎてびっくりしただけだよ」
「……でも俺、」
「何か攻撃的なことを、念じたでしょう?」
「だ…って、それは…」
確かに一瞬だけクロウを拒絶した。でも本気ではなかった。傷つけようとは思わなかった。第一、念じて誰かを傷つけたりするなんてそんな力、自分は持ってなかった。
「僕のせいかもしれない…」
クロウの言葉にルルゥは目をしばたかせた。
「僕がルルゥに干渉したからかな。確率では限りなくゼロに近いけど、きっとルルゥには潜在的な能力が眠っていて……僕みたいに能力を相手に送り込むようなタイプの能力者が触発してしまって力に目覚めるケースもいるって聞いたことがある」
「―――俺も…能力者?」
「ルルゥ」
自分の手をまじまじと見て、すがるように地面にへたりこんだルルゥの前にクロウは屈み込む。
「ごめん、ルルゥを巻き込んだみたいで」
「でも…っ、俺知らないもん!」
「ルルゥ……何かを強く願わなかった?」
「知ら、知らな……」
「落ち着いて。僕は大丈夫だし、ルルゥを責めてるわけじゃない」
「――だって怒って…る」
「ちょっと突然すぎてびっくりしただけだよ」
「……でも俺、」
「何か攻撃的なことを、念じたでしょう?」
「だ…って、それは…」
確かに一瞬だけクロウを拒絶した。でも本気ではなかった。傷つけようとは思わなかった。第一、念じて誰かを傷つけたりするなんてそんな力、自分は持ってなかった。
「僕のせいかもしれない…」
クロウの言葉にルルゥは目をしばたかせた。
「僕がルルゥに干渉したからかな。確率では限りなくゼロに近いけど、きっとルルゥには潜在的な能力が眠っていて……僕みたいに能力を相手に送り込むようなタイプの能力者が触発してしまって力に目覚めるケースもいるって聞いたことがある」
「―――俺も…能力者?」
「ルルゥ」
自分の手をまじまじと見て、すがるように地面にへたりこんだルルゥの前にクロウは屈み込む。
「ごめん、ルルゥを巻き込んだみたいで」