【掌編集】魔法使と少年少女。
「とぼけるでない、あの弟子のように年をとりたいと思うておるのであろう。最近のルゥリはひどく焦っておるようであるし、闇魔法まで持ち出して…本気であのものとやり合おうと考えておるのかえ」
「あいつを殺せばお前と別れるのは契約で決まってたはずだ、そうだろツェーヴァ」
「…ルゥリ」
「あの時死にたくなかったのは本気だったよ」
ルゥリは手に蝶を乗せたままゆっくりと立ち上がり床に敷いた魔法陣の中に足を踏み入れる。
「わらわは、ルゥリをあい…」
「お眠り」
その言葉に蝶は逃れようとひらひらと羽を動かす。次にルゥリの唇が力ある言葉を告げるとゆらりと陽炎のように蒼い炎を発しながら蝶の姿は一瞬にして消えた。
「あれ、先生なにやってるんですか」
部屋の向こうで無邪気に子供が呼ぶ。ルゥリは間一髪で死の妖精を子供が見ないですんだことにほっと胸をなで下ろした。
「おい、そろそろ飯にしてくれ」
ルゥリは魔法陣から出て自分より背が高くなった子供の頭をがしがしと撫でた。
「あいつを殺せばお前と別れるのは契約で決まってたはずだ、そうだろツェーヴァ」
「…ルゥリ」
「あの時死にたくなかったのは本気だったよ」
ルゥリは手に蝶を乗せたままゆっくりと立ち上がり床に敷いた魔法陣の中に足を踏み入れる。
「わらわは、ルゥリをあい…」
「お眠り」
その言葉に蝶は逃れようとひらひらと羽を動かす。次にルゥリの唇が力ある言葉を告げるとゆらりと陽炎のように蒼い炎を発しながら蝶の姿は一瞬にして消えた。
「あれ、先生なにやってるんですか」
部屋の向こうで無邪気に子供が呼ぶ。ルゥリは間一髪で死の妖精を子供が見ないですんだことにほっと胸をなで下ろした。
「おい、そろそろ飯にしてくれ」
ルゥリは魔法陣から出て自分より背が高くなった子供の頭をがしがしと撫でた。