歌姫はギタリストに恋をする゚*。
慶…

眠ってない…


夢じゃなかったんだ…




ホッとした私は…泣きそうになるのをこらえ、無理やり笑顔をつくった。



「買ってきたよ、はい」


慶にミネラルウォーターを差し出す。




「水かよ(汗)俺といえばコーヒーですよね、ハニー?」


ハニーって…(汗)



「ダメ。先生が今日は飲食はダメだって言ってたもん。どうしてものどが渇いたら、水だけだって」


半年間…ずっとなにも食べてないんだもんね。

急に胃に何か入れるのは、ダメって先生言ってたし…





「なんだよ、それ。相変わらずお前は真面目だな」

「真面目で結構!」

「…愛人失格」


あ、愛人!?




私…慶の愛人だったの!?

え。

これは冗談だよね?

いや…なんか久しぶりに慶と話すから、

冗談と本気がわからない!





「じゃあ私たちは…今日は失礼しようかしら……」




沙知絵さんが、携帯の時計を見たあとに立ち上がる…




「もうお帰りですか?」

「ええ。急に飛び出して来てしまいましたから……一度帰ってまた明日来ようかと…」

「慶の顔見たら、とりあえず安心しました」
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